トポロジカル物質は、NbSe3ホイスカー(ひげ結晶と呼ばれる細長い結晶)のような繊維状の物質が何かに巻きついて成長することで形成できます。 私たちは、Nb(ニオブ)とSe(セレン)の気相反応中にそのような状況が起こることを発見しました。 普通、この種の結晶作成法では、沸点の低いセレンが反応容器中を蒸発・凝集しながら循環し、反応によって生じたNbSe3分子を一箇所に集めて結晶化させます。 そうしてできるNbSe3の微小なホイスカーが付近のセレン液滴と接触すると、表面張力により液滴表面に吸着することがあります。その結果、写真のように、液滴に巻きつくループとなります。
液滴が蒸発すると、ループだけが残ります。 これまでに見つかったトポロジカル物質を、次の3種類に分類しました。 ひねり無し・πひねり(メビウスの輪)・2πひねりの3つで、巻きつきの過程で生じたひねりによって分類されています。各タイプごとに、ホイスカーが液滴にどのように巻きつけば形成できるかを下の図にまとめました。