異方的超伝導

2次元有機超伝導体κ-(BEDT-TTF)2Xは転移温度約10Kで超伝導に転移する。走査トンネル顕微鏡(STM)を使ったトンネル分光測定から超伝導ギャップが方向によって変化し、d-波異方性を持つことが明らかになった。このことは超伝導の発現機構が従来型(BCS)とは違い磁気的な相互作用による可能性示す。


有機超伝導体におけるトンネルスペクトルの方向依存性。この角度変化はd-波対称性に一致する。

また、1次元有機超伝導体(TMTSF)2Xでは、スピン3重項状態の異方的超伝導の可能性が指摘されている。1K以下の極低温STMを開発し、これらの異方的超伝導の解明を目指している。